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機能性胃腸症について

機能性胃腸症について、本年3月3日北海道新聞夕刊に掲載された記事を転載いたします。

        ☆

健康と医療についてゲストに語っていただくコーナーです。
テーマ「機能性ディスペプシア」
ゲスト/佐野内科医院 佐野公昭 医師

――機能性ディスペプシアとはどんな疾患ですか。
 2006年に新しい定義として国際的な診断基準が改訂になりました。煩わしい食後の膨満感、早期飽満感、みぞおちの痛み・灼熱(しゃくねつ)感などの症状が半年間続いているにもかかわらず、検査では異常が見つからない場合に「機能性ディスペプシア」と呼びます。もう少し具体的に症状を言うと、げっぷや胸焼け、胃もたれ、上腹部痛、胃の違和感、胃がやける感覚、吐き気、胃がムカムカする、のどの痛み、便の異常、飲み込みづらい、のどにつかえるなどです。20代からお年寄りまで幅広い層に見られ、日本では4人に1人が経験があるといわれるほど、よくみられる疾患です。胃が機能的な異常を起こす原因は、胃排泄の遅延、食後貯留能の低下、知覚過敏、胃酸の異常などのほか、うつや不安的要素、ストレスなど社会的・心理的要因も考えられます。
――診断、治療法などについて教えてください。
 診断は、まず問診を充分に行い症状を聞くことから始めます。症状が多彩で日によって、あるいは時間によって変わったり、患者によって表現が異なることもあります。「出雲スケール」という問診票も有効で利用することもあります。ついで内視鏡検査、超音波検査、血液検査、便検査などを行い潰瘍(かいよう)などの器質的疾患がないことを確かめて診断します。
機能性ディスペプシアは命にかかわる病気ではありませんが、生活の質を低下させるという意味では、注意すべき疾患です。治療の基本は、食事と生活習慣を改善することです。就寝前に食事をしない、暴飲暴食、早食い、喫煙、過度の飲酒など、胃に負担をかける生活習慣を改めます。また、ストレスを取り除き、散歩など適度な運動を心がけることも大切です。薬を使った治療では漢方薬、抗コリン剤などのほか、抗うつ剤、抗不安薬などが奏効することもあります。症状があるときに「食べないと体に悪いから」と無理に食事することは控えましょう。癌(がん)など大きな病気が隠れていることもあります。自己判断せず、不快な症状を改善するためにも、胃腸(消化器)の専門医に相談してください。

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